協会概要
言葉の背景にあるもの
一般財団法人 日本中国語検定協会
理事長 内田 慶市
本協会は1981年に大阪で「中国語学力認定協会」として発足,その後,事務所を東京に移して現在の「日本中国語検定協会」となったものですが,その元々の由来は民間中国語講習会「愚公会」にあります。「愚公会(「愚公移山」の故事による)」は,その頃大阪市立大学教授の香坂順一氏によって作られた日本で有数の民間講習会であり,香坂先生の下で当時大学院生でありました私も研究の傍ら参加していました。理事長職を受け継ぎましたのも何かの縁かと考えています。さて,日本における中国語教育の歴史は古く,例えば,江戸時代には中国との交易のために長崎に設けられた「唐通事」によって中国語が学ばれ,また5代将軍綱吉の時代には黄檗宗との関係で江戸城内でも中国語学習会が催されたことがありました。その後,明治以降は特に民間講習会を中心に中国語教育が展開され,戦後,特に日中国交回復後は中国語ブームが巻き起こったりもしました。現在は,大学等でも履修者数は英語に次いで,他の語種を遥かに凌駕しております。
こうした情況の中で,中国語学習者に学習の成果を判断する客観的基準を示し,学習意欲の持続を図るということは,私どもの協会に課せられた重要な責務の一つであると考えています。現在,日本には中検の他にHSKやTECCといった中国語資格試験がありますが,それぞれの特徴を備えており,学習者により良い学習環境を提供するということでお互いが協力をすべきだと思っています。特に,中検の場合は,日本での日本語を母語とする中国語学習者向けということを念頭に置き,単に中国語の到達度を確認するだけでなく,日本語を介した翻訳能力も同時に問うということで「訳す能力」と「書く能力」を取り入れていることに特徴があります。また,今後CEFRという国際的指標にも対応させることで,総合的な中国語能力を測る試験として,企業等からの需要もますます高まるものと考えています。
ところで,「言葉を学ぶ」という場合,発音、語彙、語法が完璧でも「まだ道半ば」であると私は考えています。その残る半分とは,「異文化理解」に他なりません。例えば,「黄色い線の内側でお待ち願います」の「内側」は日本語でも中国語でも極めて簡単な言葉です。しかしながら,日本語の「内側」をそのまま“请在黄线内等候”と訳したら大変危険なことになります。中国語ではここは“请在黄线外等候”となるのです。言語とはそういうものなのです。「言葉を学ぶ」には,言葉の背景にある相手側の「文化」「ものの見方考え方」を併せて学ぶ必要があるのです。
今後とも中検を中国語学習者の皆さんの力で支えていっていただければ幸いです。
沿革
| 1981年 |
「愚公会」関係者により「中国語学力認定協会」を大阪に設立, 香坂順一氏が会長に就任 第1回「中国語学力認定試験」を実施, 4段階(4級・3級・2級・1級) 年2回(6月・11月)体制 |
| 1985年 | 事務所を東京に移転,「日本中国語検定協会」を設立,香坂順一氏が理事長に就任 |
| 1986年 | 第10回より「中国語学力認定試験」を「中国語能力検定試験」に改称 |
| 1987年 | 季刊誌「中国語の環」を創刊 |
| 1988年 | 「準4級」を新設 |
| 1989年 | 「準2級」を新設,全6段階(準4級・4級・3級・準2級・2級・1級)とする |
| 1995年 | 第28回より「中国語能力検定試験」を「中国語検定試験」に改称 |
| 1998年 | 3月に試験日を新設,年3回(3月・6月・11月)体制に移行 |
| 2000年 | 寄付行為を改正,上野惠司氏が理事長に就任 |
| 2005年 | 「準2級」を「2級」,「2級」を「準1級」に呼称を変更 |
| 2009年 | 法人格を取得 「一般財団法人日本中国語検定協会」に改称 |
| 2013年 | 「準1級」に二次試験を導入 |
| 2020年 | 第100回試験を実施,内田慶市氏(現)が理事長に就任 |
役員
| 理事 | |||
| 理事長 内田 慶市 (関西大学) | |||
| 副理事長 張 勤 (中京大学) | |||
| 奥村佳代子 (関西大学) | 加藤 徹 (明治大学) | ||
| 佐藤 利行 (福山市立大学) | 塩山 正純 (愛知大学) | ||
| 杉村安幾子 (日本女子大学) | 竹越 孝 (神戸市外国語大学) | ||
| 千葉 謙悟 (中央大学) | 氷野 善寛 (目白大学) | ||
| 古川 裕 (大阪大学) | 李 錚強 (共立女子大学) | ||
| 魯 暁琨 (文京学院大学) | |||
| 評議員 | |||
| 王 志英 (沖縄大学) | 加納 希美 (金沢大学) | ||
| 清水賢一郎 (早稲田大学) | 杉江 聡子 (北海学園大学) | ||
| 髙村 麻実 (大手前大学) | 千野万里子 (杏林大学) | ||
| 塚本 信也 (東北学院大学) | 永江 貴子 (拓殖大学) | ||
| 藤井久美子 (東洋大学) | 前田真砂美 (奈良女子大学) | ||
| 丸尾 誠 (名古屋大学) | 森山美紀子 (東海大学) | ||
| 楊 暁安 (長崎大学) | 李 軼倫 (東洋大学) | ||
| 李 長波 (同志社大学) | |||
| 監事 | |||
| 藤井 達也 (元・和光国際高等学校) | 村上 公一 (早稲田大学) | ||
2026年6月現在

